旅行記 死に場所編 その2

3月の松本ファイナル公演へ向けて事前調査。

長野県だなんて縁もゆかりも無い。知っていることと言えば、オリンピックと林檎くらいか。

それより新幹線を乗り換えなきゃ行けないのか。そんな高度な真似、僕にできるのだろうか?

いや、やってみせるさ!

長野駅近くに善光寺ってお寺があるんだとさ。それすら知らなかった。松本駅近くには松本城。それも初耳。国宝だってさ。

そして調べていくと、ブルワリーがいっぱい。おぉ〜僕にぴったりではないか。そう言えば去年ふるさと納税したのは東御市だった。OH!LA!HO BEER目当て。

他にも松本ブルワリー、安曇野ブルワリー、軽井沢ブルワリー。長野県最高。

後はそばと山賊焼き。松本市には上高地っていう山岳景勝地。映像で見るとなんとも美しい、海外のような景色ではないか!

あれ?なんかもう終の棲家は松本で決まりじゃね?

長野県は自然災害にも強いらしいし、松本空港に新幹線長野駅、治安は分からないけど、車は無くてもイケんじゃね?

もう他に候補を探す気も失せてきた。ライヴは勿論だがワクワクしてきた。早く松本へ行きたい。

そして当日。人生初の新幹線乗り換えをこなし昼前に長野駅へ到着。無神論者で仏信仰も無いけど、善光寺へ。

なんかすげぇ〜。街にこういうシンボル的なのがあるって良いなぁ〜なんて思いながらお参り。

この時膝を怪我していたのだが、びんずる尊者の目と頭だけ撫でる。老眼と知能低下が進みませんように。

そして財布の小銭を入れて世界平和を祈る。いつか叶うのだろうか?

帰りに参道を歩きお焼きを買って食べる。しかし今回の旅は今までのと明らかに違う。

今までのは目的を持って計画を立て、こなしたらさっさとホテルへ引き上げる感じだった。

それが、なんとなく行ってみようと立ち寄った所で散策し、その場で見つけたお焼きを買って食べる。

他の人なら普通のことだろうが、今までの僕では、たかがこの程度の事すら絶対しなかった。

一人旅を存分に楽しめるようになってる。

そしてお土産のお守りを買って長野駅へ戻り、松本行きの特急へ乗り込む。1時間ほどで到着、チェックイン。

そんですぐに松本ブルワリーへ。

この日は消化器の調子が良く、お腹が空いてたのだが、ランチタイムのメニューはあっさりおつまみのみ。

でもいいさ。北アルプスを向かいに外でクラフトビール。風がめっちゃ強かったが意地でもテラス席で呑む。

この後は明日のライヴ会場の「まつもと市民芸術館」をロケハン。いよいよ明日。ファイナルでは何かある!期待が膨らむ。

ホテルに戻りディナー。今日は珍しく居酒屋へ。

言い方は悪いが「一番搾り」でも旨い。

次の日、ホテル朝食をいただく。世の中でホテルの朝食ビュッフェがトップランクで好き。そんで、そばが美味しい。

普段そばなんかそんなに美味しいと思って食べてないが、やっぱり名産地で食べるとわけが違う。

食後の散歩へお出かけ。縄手通り。早すぎて店開いてない。

散策を続けると「四柱神社」が見えてきたのでここでも世界平和を願う。この活動がいつか世界を平和へと導く。

そしてお目当ての「松本城」へ。お城にも興味はないがここは僕にとっての「REOL」の聖地。

聖地巡礼なんて如何なものかと思ってたが、感慨深い。

でも、お城に興味はないので無料エリアを散歩しただけ。まだお昼前。調べておいたブルワリーへ行かない訳ない。

松本駅から大糸線で穂高駅まで。駅前すぐの「安曇野ブルワリー」へ。ホップピザと3種飲み比べビールを注文。

ホップピザは文字通りホップが乗っている。確かにホップの香りに苦味。でもピザに乗せたら苦いだけ。でも面白い。

飲み比べビールは予想外に黒ビールの「黒豆チョコポーター」が美味しかったな。呑み足りないが酔っ払ってライヴに行く訳にいかない。

帰りの電車を待ちながら北アルプスを眺める。

美しい景色、ずっと眺めていられる。こんなとこで暮らせたら、きっと心穏やかに過ごせる気がする。

松本駅へ戻り、ついでに駅前の何でもない立ち食い蕎麦屋でざる蕎麦をいただく。なのに美味い。

ホテルへ戻りライヴの時を待つ。松本ファイナルでは何かが起こる。期待が高まる。詳細は後ほど。

ライヴ終わりでなんとも言い表しようもない感情を抱きながらホテルへ向かう。

またも部屋でライヴの余韻に浸りながら呑む。

最終日、やっぱり大好き朝食ビュッフェ。馬肉のしぐれ煮、甘辛い味付けでご飯何杯でも行けそう。蕎麦もおかわり。

お腹いっぱい過ぎて部屋で休憩。昨日「まつもと市民芸術館」の写真を撮り損ねたので時間があったらもう一度と思っていたが断念。

電車の時間なのでチェックアウト。名残惜しいがまた来るさ。いや、移住するさ。とっくに終の棲家に決定済み。

駅でお土産を探していたら、松本Tシャツを発見。迷ったが買わずに長野駅へ向かう電車へ乗る。帰りは普通列車。

昨日のライヴ参戦者と思われる人たちがチラホラ。皆様お疲れの様。僕はなんとか長椅子に座ることができた。

詳しく説明してなかったが、2月の仙台公演の辺りから膝を痛めて足を引きずってたので座れてよかった。

車窓から北アルプスを眺めていると「篠ノ井線姨捨駅は日本三大車窓」とアナウンスが聞こえてきた。

だが僕の座っていた場所からは死角でよく見えない。今更立ち上がれない。さっさと病院へ行っとくべきだった。

折角の景色を見逃して長野駅へ到着。駅の定食屋でランチ。そこで一番高い「善光寺御膳」なるものを注文。とても美味しくて大満足。

これも今までの僕では考えられなかった。なるべく割安でお得なものを悩みながらやっと注文していた。

人って変われるんだね。

新幹線に乗り込み長野ともおさらば。新幹線の中で松本Tシャツを買わなかったことを後悔し始める。

いいさ、また来るさ。

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