旅行記 思い出作り編

僕は若い頃一度転職をしている。前職も工場勤めだったが、新しい職場の雰囲気はまるで違っていた。

年寄り臭いのだ。休憩中の雑談は過去の話ばかり。思い出話しを悪く思ってた訳では無いが、先の話が無い。

今度は何をしようとか、次は何処に行こうとか、もうすぐなんとかだから楽しみだ、なんて感じの未来の話が殆ど聞こえてこない。

酷いのになると小学校時代の思い出話しを聞かせてくる同い年もいて、昔話に嫌気が差していた。年寄り臭くなりたくない。

ということもあって思い出話を意識的に避けるようになっていった。そのせいで若い頃の思い出の写真はほぼゼロ。

そして僕も年が寄ってきた今、やっとスマホで写真を撮るようになった。

まぁ、それは良いとして、今回は母親を連れて北海道旅行。

母には数十年も会っていない親戚が北海道にいる。僕が連れて行ってやるって何度言っても、全く乗り気ではなかった。

それがいきなり「一緒に行く」ってなった。実は最近、近所のひとり暮らしのお婆さんが自宅で亡くなった。もしかしたらそれが何かしら影響したのかもしれない。

それはともかく思い立ったが吉日、さっそく日程調整。二泊三日、プロペラ機の旅で4度目の北海道。

でも母は筋金入りのHSP。ホテルの部屋のトイレに入っただけで扉が開かなくなって閉じ込められたらどうしよう、なんて考えて頭が痛くなる。

なのに何故か飛行機はへっちゃら。夜勤明けの僕にお構いなしで窓の外の景色を見てはしゃいでた。

千歳空港について早速ランチ。質素倹約の申し子の母は1800円の海鮮丼にビビっていたが、ペロッと完食。

僕はビール付きのおつまみセット的な奴を注文。夜勤明けのビールの危険度は承知の上でお代わり。旨い。でもできるならすぐにでも横になりたい。

眠いのを我慢して快速エアポートで札幌駅へ。ちなみに僕は眠いのを我慢するという仕事で給料を貰っている。

札幌駅で北海道の親戚に持っていく北海道のお土産を買い、ホテルへ行ってチェックイン。

17時に居酒屋を予約していたのでそれまでの間、母にはホテルで昼寝してもらう。僕だって寝たいのだが息子と駅で待ち合わせ。

息子は夏休みには帰郷していたのだが僕は入院中で会えずじまい。で、札幌で久しぶりに再会してカフェでアイスコーヒー。

そこで金融リテラシーについて僕の見解を聞かされる息子。果たして息子の親ガチャは外れたのか?

そうしているうちに時間が近づいてきたので母を迎えに行き居酒屋で合流。

珀や 札幌駅北口店。そう、ここは最初の北海道旅行で人生初一人居酒屋をしたお店。

ここはなんと、エビス樽生(340ml)が280円! もう、大好き!

息子の大食漢ぶりは健在。洗い物を急かされているかのように平らげていく。

やっぱり大学生活は忙しいらしい。課題やバイトやデートやら。羨ましくもある。

母も孫と久しぶりにゆっくりお喋りできて幸せそう。そしてまたお別れのとき。

札幌駅まで見送っていつものお別れルーティーン。流石に4回目なのでそんなに寂しくもない。

一人旅じゃないからか? そしてホテルへ戻る。がハプニング。

母が部屋のトイレに閉じ込められる。ドアノブが取れやがんの。まさかの心配事が現実に。

フロントに連絡したら、なんやかんやあって別の広い部屋へ移動することに。

結果オーライ! 旅のハプニングも話のタネ。一人旅じゃないからか?

そして翌日、レンタカーで親戚の住む滝川市へ。片道2時間。カタミチニジカン。いつかの記憶が蘇る。

母は助手席で雄大な景色を眺めながらワクワク。途中、日本一の直線道路を走る。ふ〜ん、そうなのねぇ。

親戚の家に到着。数十年ぶりの再会。僕はその間「滝川ふれ愛の里」へ。温泉で湯治。気付かずにいたがここは「滝川クラフトビール工房」でもあった。

風呂上がりに目の前にクラフトビール。うらめしい。電車で来る事もできたが、そうすると親戚の家からの行動範囲に制限が。

それでレンタカーにしたのだがそのせいでビールが呑めず。なかなか思い通りに行かないもんだ。

時間になったので母を迎えに行く。最後に写真を撮ってお別れ。

さぞ昔話に花が咲いただろうと思いきや、半分は嫁の愚痴だったみたい。なかなか思い通りに行かないもんだ。

また2時間掛けてようやく札幌まで戻る。マタ二ジカンカケテ・・・。まぁ良いや。

ホテルへ戻って母のお昼寝タイム。その隙に前回行ったクラフトビールのお店に行きたかったが、時間的に無理があるので断念。

なかなか思い通りに行かない。一人旅じゃないからか?

でも、JR札幌駅改札内に期間限定オープンしている「BEER STAND SORACHI」に行くことが出来た。

駅改札内ってとこが憎たらしいが「サッポロ SORACHI 1984」の樽生が呑める。あーオイシイ(๑´ڡ`๑)

使用したアルミカップはお持ち帰りできる。記念にもう一個欲しかったのだが、お一人様一個限り。母を連れて来れば良かった。

そして昼寝を終えた母とディナーへ。もう歩きたくないのでホテルのすぐ近くの居酒屋へ。

また海鮮丼を注文する母。何を食べても美味しいと言う。ふと、父を連れて来れなかった無念が僕を襲う。

ホテルへ戻って昨日入り損ねた大浴場へ。風呂上がりにもう1杯と思っていたが流石にお腹いっぱい。眠りにつく。

最終日朝、やっぱり大好き朝食ビュッフェ。部屋へ戻って少し休んで早めに千歳空港へ。

お土産を買い込んでランチにラーメンと思っていたがお腹が空かずアイスクリームを食べる。

もう一度お土産を探していたらノースフェイスとパタゴニアのTシャツを発見。姪っ子と甥っ子用に購入。

気に入ってもらえるかな?いらないなら僕が着るけど。

そしてまたプロペラ機に乗って北海道にサヨナラ。

折角北海道まで行ったのに観光地らしいとこに行けなかったが、それでも良い”思い出作り”を母にプレゼント出来たのではないでしょうか。

おしまい。

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